探偵と興信所の違いを解説

探偵事務所と興信所はどちらも依頼を受けて情報収集を行う調査業者ですが、どのような違いがあるのでしょうか。調査を依頼したいと考えたとき、探偵と興信所のどちらを探したら良いのか迷われる場合もあるかと思います。

ここでは、探偵と興信所の違いや、取り扱う調査の内容についてご説明します。また、適切な業者選びをするために知っていただきたい情報もまとめました。

過去の探偵と興信所の調査内容

探偵と興信所はルーツが異なり、かつては役割に明確な違いがありました。探偵は主に浮気調査、身辺調査、行方調査などの分野で活動し、個人を対象とした調査を行っていました。尾行や現場での目撃情報収集を通じ、秘密裏に証拠を集めることが主な仕事です。

料金の比較

一方、興信所は企業や法人を対象とした信用調査を専門とし、取引先などの企業の信用度を検討するための調査を行っていました。のちに、結婚相手の身元調査など、個人を相手にした調査も行うようになります。

このように、探偵は個人の問題解決に特化した実地調査を行い、興信所は企業の信頼性評価を担っていました。しかし現在では、探偵事務所と興信所は同じ法律に則って届出や業務を行っています。調査対象や取り扱い種目に特色が残る一部の業者以外には、探偵と興信所の明確な区分はありません。ただし、得意分野を持っている業者が多いため、調査依頼を検討する際には、その依頼内容に応じた調査を行うことができる業者を探すことが大切です。

探偵業法による適正化

以前は、探偵事務所や興信所を規制する法律はなく、調査業者の適正な運営に関する基準があいまいだったため、悪質な業者による消費者トラブルや違法な手段を用いた調査が頻発しました。このような事態を改善するため、「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」が2007年に施行されました。

探偵業法は、探偵業務の適正化や消費者保護を目的として定められた法律です。これにより、探偵業を営む際には届け出が必要となりました。また、探偵業法には、調査内容、調査方法、収集した情報の取り扱い方法、さらには違反した場合の処罰についても定められています。そして、営業停止命令などの行政処分を受けた探偵業者については、各都道府県警のサイトで確認することができるようになっています。

探偵事務所と興信所の調査内容

成り立ちの違いにより、以前は全く異なった調査を行っていた探偵事務所と興信所ですが、現在では明確な違いはありません。探偵事務所・興信所はさまざまな調査を請け負っていますが、得意分野に特化して実績をあげている業者も多くあります。ここでは、主に個人を対象とした調査をご紹介します。

浮気調査

配偶者や恋人の浮気・不貞について、事実確認をするために行う調査です。尾行や張り込みなどの手法でパートナーの行動を確認し、写真・動画の撮影により不貞の証拠を記録します。加えて、浮気相手の住所や勤務先の特定を目的とした調査を行います。

探偵事務所・興信所への依頼内容で最も多いものが浮気調査ですが、有効な証拠を収集するためには、適切な技術や知識などが求められます。特に、慰謝料請求や離婚裁判などに用いる証拠資料が必要な場合には、浮気調査の実績が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。

素行調査

素行とは「普段の行い」のことです。浮気調査と同様に、尾行や張り込みなどの手法を用いて調査対象者の行動について詳細に調べます。例えば、子供の交友関係、単身赴任中の配偶者の様子、借金を滞納している知人の勤務先や暮らしぶりなど、調査の対象や目的はさまざまです。また、必要な情報が得られる場合には聞き込みを行うケースもあります。

盗聴器・盗撮機発見

自宅や勤務先など特定の場所において、会話内容が他の人に漏れている、人が出入りしたらしい痕跡があるなどの不審な点があるときに行う調査です。疑わしい場所に探偵が赴き、盗聴電波や盗撮電波を探知する専用の機材を用いて、盗聴器・盗撮器の有無を確認します。一般的に、調査場所の面積や部屋数により料金が決まります。

家出調査

家族の行方がわからなくなってしまった場合、現在の居場所や生活の様子について調査します。依頼者から提供される手掛かりをもとに、聞き込みや張り込み、チラシの配布などの方法で情報を収集します。

探偵や興信所の選び方

多くの探偵や興信所の中から納得のいく結果が得られる業者を選ぶためには、最低限押さえておきたいポイントがあります。トラブルを防ぎ、ご自身の希望や状況に応じたサービスを受けるためにも、信頼関係を築くことのできる業者を見つけることが大切です。

依頼内容に沿った選択

探偵事務所や興信所は、幅広い分野の調査を行っています。個人を対象とした調査で多く依頼を受けるものとしては、浮気調査、人探し、盗聴調査などが挙げられますが、それらの調査においても必要な技術や知識、機材が異なります。また、企業向けに特化した知識や情報網を持ち、取引先の信用調査、競合他社の情報収集などを得意分野としている業者もあります。

探偵事務所・興信所を検討する際には、依頼したい内容の分野に関する知識や調査体制、実績を確認し、目的に合った業者を選択することが望ましいです。

料金の比較

料金面でも、探偵事務所と興信所に明確な違いはないと言えます。しかし、料金設定は各社により異なるため、調査の費用相場や仕組みを把握しておくことが大切です。

一般的に、探偵事務所や興信所による調査費用は時間単価や調査内容に応じて決まり、浮気調査の場合は数万円から数十万円が相場と言われています。他にも、まとまった時間数の調査を設定したパック料金や、決められた成果が得られたときに報酬を支払う成功報酬制など、複数の料金体系が採用されています。

調査を依頼するときには、料金プランやサービス内容をしっかりと確認し、ご自分のニーズに合った探偵事務所・興信所を選ぶことが重要です。複数の業者から見積もりをもらって比較検討し、調査内容に見合った提案がなされているか確認すると良いでしょう。

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信頼性のある探偵事務所を選ぶ方法

探偵業法が施行されてからも悪徳業者によるトラブルは後を絶たず、泣き寝入りとなるケースも見られています。調査を依頼する際は、リスクを回避するためのポイントを押さえ、業者を慎重に選ぶことが大切です。

まずは、探偵業法に則って営業していることを必ず確認します。探偵事務所や興信所を開業する際は、各都道府県の公安委員会に届け出をしなければなりません。届出番号は、事務所に掲示された標識(令和6年4月までは探偵業届出証明書)で確認できます。また、探偵業法に違反して行政処分を受けた業者は、各都道府県警のサイトに3年間公表されています。

また、契約時には必ず契約書を交わすこと、重要事項説明書や調査目的確認書を提示することが決められています。契約書なしで依頼を受ける場合や、上記書類の提示・説明がなかった場合など、法律に従った契約の手順を踏まない業者は避けた方が良いでしょう。

サイトに料金体系が明記されており、契約前に費用についての十分な説明がある業者を選ぶことも大切です。安さを強調して契約を迫る業者には、特に注意しましょう。後からオプションを追加して高額の請求をされるケースが聞かれるため、追加料金の有無についても契約前によく確認することが大切です。

不明な点があれば、無料相談などを利用して直接質問してみることをおすすめします。担当者の応対や説明内容からも、誠実度や依頼内容に関した知識量を知ることができます。

無料相談を活用する方法

多くの探偵事務所・興信所では、電話やメールを窓口とした無料相談を受け付けています。依頼目的に合った調査が可能な業者であるかどうかを判断するため、ぜひ無料相談を活用していただきたいと思います。

相談をする際には、依頼内容に関する情報とともに、ご自身が持っている不安や疑問についての質問を準備しておくことをおすすめします。疑問を解消するような返答が得られるかどうかで、経験値や信頼度を推しはかることができます。

また、複数の業者から見積もりを取って比較することで、適正な価格や調査内容がわかります。信頼できる業者を見つけることが、問題解決への第一歩となるでしょう。

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まとめ

現在では探偵と興信所にほとんど違いはなく、幅広い分野で調査を請け負っています。しかし、得意分野を持つ業者も多いため、依頼の目的に応じて適切な業者・サービスを選ぶことが重要です。現在営業している探偵・興信所は、探偵業法に則って業務を行っています。契約前には、適切に営業されていること、依頼内容に合った調査が行える業者であることをよく確認し、信頼できる業者を選択することが大切です。

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